受賞理由

 令和5年度日本ソノケミストリー学会賞

    氏名: 小林 高臣    
 
  所属: 長岡技術科学大学  
 
  受賞題目: 持続可能社会に向けた超音波ソノプロセスの活用と応用技術の確立 
 
  受賞理由: 小林高臣氏は、長岡技術科学大学にて30年以上に渡って機能性材料とソノプロセス化 の研究を継続して実施してきており、なかでも超音波の特異性と簡便な利用に着目 し、1995年頃から、分離膜や水溶性高分子への超音波効果について検討を始めた。特 に分離膜のファウリング防止効果の研究は、その後、ヨーロッパを中心に同じように 超音波を利用する追随研究のきっかけとなった。その後、無機物調整で必須なアルミ ナーポリマースラリーの超音波による粘性低下現象を発見し、この結果を元に、種々 の水溶性バイオマスの粘性への超音波効果の研究に発展させた。丁度、この時期に、 研究室にて、持続可能社会に根ざした食品廃棄物バイオマスからのセルロースヒドロ ゲルを作製し、その優れた生体適合性、皮膚親和性を見出し、廃棄物からのアップサ イクル材料として、これを再生セルロース薬剤の応用に至っていた。この展開で、さ らに、薬剤放出を超音波トリガーで促進させる研究を行った。そのバイオマスヒドロ ゲルの物性解析のためにソノレオメータを新たに開発し、超音波照射下での粘弾性を その場解析できる技術を開発し、3次元的に架橋しているバイオマスヒドロゲルが超 音波照射で、水素結合切断で軟化する現象を見出し、薬剤放出が促進されることに 至った。また近年は、この知見を応用し、汚染土壌や鉱業廃棄物に超音波照射し、鉱 物廃棄物からシリカを得る手法を確立し、循環型社会に重要な技術開発に貢献してい る。 このように、持続可能社会の構築に向けたソノプロセスを開拓し先導したことは、ソ ノケミストリー発展への貢献が極めて大きく、国際的にも高く評価されている。よっ て小林高臣氏の研究業績は日本ソノケミストリー学会賞受賞に値する。